米国では再生可能エネルギーへの移行に伴い、旧式の化石燃料発電所が閉鎖されている。だが一部の発電所は息を吹き返しつつある。ビットコインを採掘(マイニング)するためだ。ニューヨーク州の北部では、休止していた石炭火力発電所が天然ガスを燃料として再稼働し、暗号資産(仮想通貨)を採掘している。不振に陥っていたモンタナ州の石炭火力発電所は今や、暗号資産採掘のために能力を増強している。ビットコインなど暗号資産の価格が高騰し、投資家は発電事業に資金をつぎ込んでいる。だがそれには反感を買うリスクも伴う。イーロン・マスク氏はビットコイン採掘の化石燃料使用を巡る懸念を理由に、自身の率いる米電気自動車(EV)大手テスラで車両販売の支払いとしてビットコインを受け付けるのを停止すると述べた。これを受け市場は大荒れとなった。ビットコイン価格は現在、先々週の水準を約25%下回っている。
ビットコイン用に火力発電所買収、環境への懸念も
採掘のための消費電力が急増、発電事業に資金つぎ込む投資家
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