相手が発言しないので、そのヒトは「ちゃんと理解されているのだろうか?」と不安になってどんどん説明をつづけるわけです。

 だから、「話が繰り返しになったな」「もう2周目だ」と思ったら、切ってあげましょう。そのほうが、親切です。

 もちろん、ストレス発散でただグチを繰り返したいだけの相手もいるでしょう。それはそれで、構いません。時間の許す限り、うなずきとあいづちを返してあげましょう。

 でも、議論のための話なのだったら、うまく「要約」を入れて、切りましょう。

「今月は予算達成が難しくてその最大原因はこの猛暑だ、ということですね?」

「そこまではわかりました。次は対策について話しませんか」

感情や推測と事実や意見を分ける

『重要思考』の超基本は、塊とつながりを明確にする、でした。

 実はもう1つ大前提があります。それは論理と感情を分ける、事実と推測を分ける、ということです。

 往々にして、ヒトの話には感情や推測といった曖昧なものたちが入り込みます。入ること自体はいいのです。ただ、それが入り混じってしまうと訳がわからなくなります。

 事実なのか意見(や私見)なのかも、そう。

 ヒトはついつい「虎の威」を借りたくなります。権威者の私見を、まるで自分の意見や、客観的事実であるかのように言ったりします。

 その自分の弱さを、認めつつ、頑張って分けましょう。決して感情を、主張や議論に混ぜないこと。その瞬間、それは主張ではなく、グチになってしまいます。