予算教書は大統領の優先事項を示す明確なシグナルだ。われわれは、ホワイトハウスが週末の連休前の28日に公表した資料に埋もれていた「宝石」を、次々に見つけ出している。いや、宝石というのは適切な単語ではないかもしれない。しかし、金利に関して予算教書に込められた米連邦準備制度理事会(FRB)への、あからさまなメッセージは検討する価値があるだろう。予算教書には成長率・物価・金利・失業率などの経済見通しが盛り込まれている。60ページの表S-9を見ると、教書が見据える10年間の最終年となる2031年までマイナスの実質金利が続くと、ホワイトハウスのエコノミストらが想定していることが分かる。予算教書は、2031年まで年間のインフレ率が2.1~2.3%にとどまると想定している。これは甘い見通しかもしれないが、それはさておくとしよう。3カ月物の財務省短期証券の平均年間利回りについては、この10年を通じてインフレ率を下回ると想定している。2022年が0.2%で、その後は31年に2.2%に達するまで2.2%を上回ることはないとの見通しだ。
【社説】バイデン氏予算教書 FRBへのシグナル
実質金利は10年間マイナスを想定
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