――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  経済再開に伴う「リオープニング取引」が、王者ドルに大きな困難を突きつけている。だが、この「君主」がどれだけ自らの権力を手放すかには限界があるだろう。  主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数は4月初旬以降、ほぼ一本調子で下げてきた。だが、4日公表された5月の米雇用統計で就業者数が市場予想を下回ったにもかかわらず、ここ1週間は底堅い動きをみせている。  これはドル安がほぼ一巡した兆候かもしれない。