リモートワークは心理学的にみると
退職者が増える原因になりうる
小宮コンサルタンツ代表
リモートワークの普及により、通勤や移動の時間が減ったり、社員同士の無駄話が減ったりして、仕事が効率的にできるようになったと感じているリーダーは多いと思います。社員の誰もが黙々とパソコンに向かって作業をしていて、ほとんど会話もないという環境は作業効率が良さそうに思えますが、それは勘違いです。
実は、心理学の視点では正反対、成果が上がりにくく、居心地が悪く、退職者が増える環境を作ってしまっている可能性もあるのです。
心理学に「ストローク(stroke)」という理論があります。ストロークとは、人(自分)の心理に与える影響のことで、「プラス(良い)」「マイナス(悪い)」「なし」の3つがあり、それぞれ以下のような状況が当てはまります。
(a)プラスのストロークを得るとき
・褒められたとき
・いいことがあったとき
(b)マイナスのストロークを得るとき
・怒られたとき
・けなされたとき
(c)なし(プラスのストロークも、マイナスのストロークも得られない状態)
・無視されたとき
・相手にされないとき
まず知っておきたいことは、人はストロークを「プラス」「マイナス」「なし」の順番で好むということです。怒られる(マイナス)よりは無視(なし)された方がましな気がする方もいるかもしれません。しかし、それは誤りで、「プラス」「なし」「マイナス」の順番ではないのです。