韓国の経済は一流だが
政治・外交は低評価

 確かに、韓国の経済は一流である。サムソン、現代自動車、SK、ポスコなど世界に冠たる企業がある。

 文大統領は英国滞在中、ドイツのメルケル首相とはワクチン協力について、豪のモリソン首相とは水素経済協力について、EUのミシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長とはグリーン・デジタル協力で一致し、フランスのマクロン大統領とも先端技術と文化・教育分野での協力を約束した。

 文大統領の主要な会談内容が経済分野に限られ、政治・外交・安全保障分野が含まれていないのは、文大統領の出席するセッションとも関係があろう。しかし、首脳同士の会談であり、かつ今回のサミットの陰の主役が中国であることを考えれば、主要国が見る韓国の位置づけが、経済一流、政治外交は対話の相手ではないということなのであろう。

 韓国の政治・外交は3流国にさえ至らないと評価されているのではないか。

文政権が権力乱用の韓国は
民主主義国家とはいえない

 文政権は、革新系政権を20年間維持することを目標に、保守層をたたく「積弊(長年にわたって積み重なった政治的弊害)の清算」と検察改革に熱中してきた。「ネロナンブル」(自分がやればロマンス、他人がやれば不倫)という二重基準で「文政権の行うことは正しい、反対派は間違っている」と主張し、反対派たたきを繰り返してきた。

 最近では、検察改革を旗印に作り上げた政権擁護の検察機関である高位公職者犯罪捜査処を通じて、次期大統領の有力候補となった尹錫悦(ユン・ソギョル)氏を職権乱用容疑で捜査に着手し、次期大統領候補の地位を脅かそうとしている。

 文大統領は、選挙によって政権は奪ったが、その後は権力を乱用し、国会でほとんど審議をせず、自らに都合のいい法律を制定し続け、それによって革新政権を作り上げようとしている。これが民主主義国家のすることとはとても考えられない。