武田薬品工業が2030年度までに売上高5兆円企業になるゴールを掲げてから初の定時株主総会が6月29日に開かれる。創業家筋は経営の問題を提起する“爆弾”を仕込み、クリストフ・ウェバー社長兼CEOと対峙する。特集『武田薬品 「破壊と創造」』(全7回)の#5は、その爆弾の中身を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
株主総会で「俺、騒ぐぜ」
創業家筋が事前質問状
武田薬品工業の創業家筋で同社OBの原雄次郎氏は、この1年間を振り返って、憤まんやるかたない。
2020年夏から21年春にかけて、武田薬品の代名詞だった大衆薬「アリナミン」を販売する主要子会社の売却、国内MR(医薬情報担当者)の早期退職募集と、センセーショナルな出来事が続いた。過去10年を振り返っても国内研究員のリストラ、主要子会社の和光純薬工業売却、登記上の本社ビル売却など、まさに「破壊の10年」だった。
これらに対する怒りを込め、6月29日の定時株主総会で「俺、騒ぐぜ」と誓う原氏。株主総会を前に4月20日付で、経営の問題を提起する事前質問状を提出し、クリストフ・ウェバー社長兼CEO(最高経営責任者)と対峙する。