昨年のMR(医薬情報担当者)リストラで、武田薬品工業を辞めた社員、通称「ヤメタケダ」がさらに業界に拡散した。ヤメタケダの中には中途で入って早々とキャリアアップして去る「渡り鳥」も。特集『武田薬品 「破壊と創造」』(全7回)の#6では、転職先の企業、ポストでヤメタケダの勝手番付を作った。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
勝ち組の転職先は
JT、富士フイルム、ロート…
「人材を多数輩出し、微力ながら業界各社の創薬力や営業力の底上げに貢献しております」
これは武田薬品工業OBによるブラックジョーク。リストラで社員が大量に去ったことを皮肉っている。
武田薬品は2010年代、国内研究所で2度にわたるリストラを行い、500人前後が会社を去った。昨年は営業部隊である国内MR(医薬情報担当者)対象のリストラで300~500人ほどが退社した。17年の大衆薬事業分社化後、自ら進んで転職を選んだ社員も少なくない。
だが腐っても国内製薬王者、武田薬品のエリート社員。自ら進んで転職した者も含めると、JT、富士フイルム、塩野義製薬、小野薬品工業、大正製薬、ロート製薬、東和薬品など、そうそうたる企業に元武田薬品社員(通称「ヤメタケダ」)は拡散した。
終身雇用を前提としない「米国企業化」が進む中では、武田薬品に中途入社し、さらに世界トップクラスの企業などへキャリアアップする「渡り鳥」も増殖している。これは上層部で顕著だ。
そんなヤメタケダたちの勝ち組は誰なのか。そして負け組は?転職先の会社規模やポストなどをベースに「勝手番付」を作った。