――現在、企業チームでプレーされていますが、やはりプロとは気持ちの入り方などは異なりますか?

 やはり野球を仕事にしているか、そうでないかというのは、かなり大きな差だと思います。目標設定もプロでいた時のほうができていたと思います。でも、だからといって、決して遊びでやっているわけではありません。企業チームも応援してくれるスポンサーの方がたくさんいますし、所属している選手として責任を持って行動し、プレーしなければいけないのは当然です。

「美しすぎる」と書かれたポスターは恥ずかしかったと語る加藤さん「美しすぎる」と書かれたポスターは恥ずかしかったと語る加藤さん(撮影/写真部・東川哲也)

――女子プロ野球リーグ在籍時は「美しすぎるプロ野球選手」として数多くのメディアなどにも出演されていました。野球とは関係ないところを評価されるのは、複雑な思いもあったのでしょうか?

 正直、結果を出すまではかなりしんどかったです。1、2年目などは成績もまだ全然安定していなかったので、もっと練習に力をいれたいのに、イベントなどに出ないといけない日も多く、「私よりもレベルの高い選手がいるのになぜ?」と、戸惑っていたというのが本音です。私がまだベンチに入れていない頃に、開幕戦の試打式のピッチャーを任されたこともありました。通常であれば、ベンチに入れない選手は、運営スタッフとして試合をサポートしなければならないのに……。あとは、「美しすぎる……」と書かれたポスターも恥ずかしかったです(笑)。まだ新人の私がそうやって表に出てしまうことで、私の実力が女子プロ野球の全レベルだと思われてしまうのではないかと、そんなネガティブな感情にもおそわれたりもしました。一日も早く、恥ずかしくないような選手に成長しなければいけない、そんな焦りの中で、ずっとプレーしていました。

――なぜ、女子スポーツの成功は難しいと思いますか?

 結局、男子と比べられてしまうというのが非常に大きいと私は思います。女子プロ野球も、昔から「迫力がない」「スピード感がない」というのは、散々言われてきました。男子と女子って、身体の作りが全然違うのに、同じ土俵で評価されてしまっているので、競技の魅力が伝わりにくいんです。なので、女子スポーツを成功させるには、もっとその競技の面白さが伝わるように、規格などをもう一度見直すっていうのも必要じゃないかなと思います。

――規格を見直すというのは具体的には、どのようなことでしょうか?

 例えば、野球だと、女子は男子よりもどうしてもホームランが出にくい。これは、やっぱり寂しいです。もっとホームランが出やすいように、フェンスの手前に柵を作るなどの工夫があってもいいと思います。あと、「飛びやすいボールに変更する」とか、少し危険を伴うので難しいでしょうが「塁間などを少し狭める」などもそうですね。女子選手や運営側は「女子でも男子と同じ規格でできる」という意地もあると思いますが、興行ということを考えると、いつまでもそう言ってはいられないのではないかと思います。