かつて「四大」といわれた大手事務所の一角に食い込み、「五大」体制としたのがTMI総合法律事務所である。そのTMIには現在に至るまで、四大出身の大物弁護士らが続々と参集する。特集『弁護士 司法書士 社労士 序列激変』(全19回)の#8では、TMI総合法律事務所の創立メンバーで、代表を務める田中克郎弁護士と遠山友寛弁護士に話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
もともとは西村あさひの一部
部門が独立してTMIを設立
――かつては四大法律事務所(西村あさひ、森・濱田松本、アンダーソン・毛利・友常、長島・大野・常松)といわれていました。今はここにTMI総合法律事務所が入り「五大」となったわけですが、TMIは他と比較してどのような特徴があるのでしょうか。
田中 もともとTMIは西村あさひ法律事務所の一部分でした。僕らの頃は西村眞田法律事務所だったのですが、四つの部門がありまして、Aが金融、Bが国際取引、Cが国内案件、Dが僕らのいた部門で、主に知的財産を担当していました。実際には、それぞれが株主総会の対応など、いろいろな分野を取り扱っていました。
最初に私たちのDが独立して、1990年10月にTMI総合法律事務所を設立しました。こうした経緯から、当初はTMIの特徴というと、知財の事務所であると、一般的に認識されていました。