100本ノック夏#3Photo:Bloomberg/gettyimages

みずほフィナンシャルグループが、3度目の大規模なシステム障害を起こした。顧客不信を招いたにもかかわらず、前期決算はV字回復と好調だ。だが実は、みずほはいつ発火してもおかしくない時限爆弾を二つ抱えた状況にある。特集『決算書100本ノック! 2021夏』(全10回)の#3では、時限爆弾の中身に迫る。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

「週刊ダイヤモンド」2021年6月26日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

3度目の大規模システム障害の裏で
みずほが迎えた“皮肉”な絶好調決算

 今年2月、傘下のみずほ銀行で発生した3度目となる大規模なシステム障害は、みずほフィナンシャルグループにさまざまな禍根を残した。

 4月には会長に退くはずだった藤原弘治頭取の交代人事を取り消し、藤原氏の引責辞任を含む人事案が議論されている。加えて、「ナンバー部」と呼ばれる銀行の法人営業部の廃止など、全社で進めていた新営業体制への移行が遅れた。

 何より、顧客不信を招いたことが痛恨の極みだろう。金融庁による業務改善命令は必至の状況だ。

 皮肉なことに、障害発生後に発表された2021年3月期決算は、システム障害などどこ吹く風とでも言うかのごとく“絶好調”ぶりを見せつけた。

 それでも、みずほは業績悪化要因となる「二つの時限爆弾」を抱えている状態だ。その爆弾とは何なのか。