任天堂の業績が好調だ。巣ごもり需要の追い風だけが要因ではない。その本質は、ゲームの「デジタル販売」の増加にある。特集『決算書100本ノック! 2021夏』(全10回)の#7では、利益を生み出す力が強まった任天堂の姿を決算書から読み解こう。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
「あつ森」は3000万本越え
業績絶好調の任天堂
ゲームで言えば、さながら“ボーナスステージ”といったところだろうか。任天堂の業績が乗りに乗っている。2021年3月期の売上高は前年比34%増の1兆7589億円、営業利益は同82%増となる6406億円をたたき出した。
昨年は新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり特需が追い風となった。話題作となった「あつまれ どうぶつの森」は累計販売本数3000万本超の大ヒットを記録したほか、すでに発売から3年以上経過する主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の人気も衰えることなく、前期を上回る力強い販売台数を誇った。
だが、任天堂が好調なのは、何も販売数の増加だけが要因ではない。利益の生み出し方の急変によって、“稼ぐ力”そのものがパワーアップしているのだ。
それは一体、どのようなものであろうか。