米連邦準備制度理事会(FRB)は過去数十年にわたり、インフレ抑制に成功してきた――むしろ、低すぎるほどだったかもしれない。背後には、グローバル化を含む世界経済や人口動態の変化、電子商取引(eコマース)の台頭といった下押し要因の存在があった。だが、新型コロナウイルス禍が後押しする格好で、こうした長期的な要因が反転し始めたとの指摘が出ている。ウェルズ・ファーゴのディレクター兼シニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「前回の局面で低インフレ環境に多大な役割を果たしていた要因が後退し始めている」と述べている。これは、足元の物価上昇がどの程度、一時的な要因によるものかを見極めようとしているFRBにとって、また米経済全体にとっても極めて重要な意味を持つ。向こう数年もインフレ加速が持続するか、FRBが2%のインフレ目標を達成するために金融政策を引き締め気味にするか、ハウス氏はそのいずれかに今後はなりそうだと話す。
インフレ高進の脅威、3つの長期トレンド反転
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