旧南大東空港跡地を工場として利用している旧南大東空港跡地を工場として利用している

 南大東島のラム酒を製造販売しているのは、「グレイス・ラム」という会社。2004年に、沖縄電力の社内ベンチャー制度を利用して設立されました。沖縄電力の会社員だった、現社長の金城祐子さんが「沖縄のサトウキビでラム酒が造りたい!」という一心で企画を出して実現させたというのも、凄い。

 お酒造りは未経験だった金城さんですが、心強い味方が現れます。その方こそが、私が取材をさせていただいた工場長の玉那覇さん。もともとは泡盛造りの名手だった玉那覇さんが、金城さんの情熱に応えるかたちで、イチからラム酒造りに着手します。ラム酒は全世界的に資料があまりないそうで、南大東島の気候のもとで南大東島のサトウキビでラム酒を造るために、何年も試行錯誤を繰り返したそうです。

 そうしてできあがったラム酒が「コルコル」。こんな骨太な誕生秘話にも思いを寄せながら、味わってみてはいかがでしょうか?

■グレイス・ラム
・URL:https://rum.co.jp/

伊江島の若者たちが完成させた
アグリコールラム

伊江島のラム酒。伊江島蒸留所の「イエ ラム サンタマリア」伊江島のラム酒。伊江島蒸留所の「イエ ラム サンタマリア」

 沖縄美ら海水族館からも近い本部町(もとぶちょう)の本部港から、フェリーで約30分。美しいビーチで海遊びができると人気の離島、伊江島。ここでは「伊江島蒸留所」の取材をさせてもらいました。こちらの工場はもともとバイオエタノールの実証実験場だった施設を再利用しています。ここで、伊江島のサトウキビを使ってラム酒を造ろうと、島の若者たちが立ち上がり完成させたのが「イエ ラム サンタマリア」です。

バイオエタノールの実証実験施設を再利用した伊江島蒸留所の工場バイオエタノールの実証実験施設を再利用した伊江島蒸留所の工場

 伊江島のラム酒の凄いところは、すべてがアグリコールラムだというところ。アグリコールラムとは、サトウキビ汁を使って造るラム酒で、世界のラム酒の約3%しかないという希少なもの。サトウキビは収穫した瞬間から加水分解やバクテリア発酵がはじまってしまうため、栽培地の近くでしかも収穫時期にしか造れないとされていましたが、伊江島では特別な製法でサトウキビ汁を保管することに成功。そのため、この希少なアグリコールラムが一年中製造できるのです!

 そんな特別な伊江島のラム酒「イエ ラム サンタマリア」。スッキリした味わいで呑みやすいので女性にもおすすめです。

■イエ ラム サンタマリア
・URL:http://ierum.ie-mono.com/