日立 最強グループの真贋#9Photo:AFLO

日立製作所はグループ会社に技術力や人材を提供するなど、恩情をかける企業の代表格だった。グループ会社社員は、日立の手厚い福利厚生などを享受することができた。だが、時代は変わった。デジタル事業と相性の悪い子会社は容赦なく売却する方針が貫かれた結果、22社あった日立の上場子会社は残り1社、日立建機だけとなった。その日立建機でも売却観測は絶えない。特集『日立 最強グループの真贋』(全12回)の#9では、激動の時代を生きる日立グループ関係者の肉声をお届けする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

ブランドと技術を日立に依存していた
子会社が続々売却、社員の危機感とは?

 連結子会社865社を有する日立グループの頂点に君臨するエリート集団、日立製作所の社員らは、自社の待遇に一定の満足を得つつも、いわゆる「大企業病」にむしばまれている現状に危機感を抱いていることが分かった。

 社員クチコミサイト「OpenWork(オープンワーク)」のクチコミ情報から、日立社員らの本音を探った。

 ここからは、旧日立化成や日立金属など売却が決まった子会社や、日立建機のように売却観測が絶えない子会社に在籍する社員らの“複雑な本音”を明かしていこう。