生保協・業務品質SGによる代理店検査の結果を検証する

生命保険協会の業務品質SGが
「検証トライアル」の結果を公表

 2020年6月にスタートした「代理店業務品質のあり方に関するスタディグループ(以下、業務品質SG)」。金融庁が掲げる顧客本位の業務運営をさらに推し進めるために生命保険協会が主体となり、乗り合い代理店13社と二つの業界団体、消費生活相談員協会、生命保険会社42社、そしてオブザーバーとして金融庁も参加し、乗り合い代理店における業務品質の在り方について検討してきた(参照:「金融当局と生保42社・代理店が異例の集結で「理想の代理店」を議論した理由」)。

 SGは業務品質評価項目を取りまとめ、約4カ月をかけてSGに参加した13の乗り合い代理店で「検証トライアル」を行った。SGで整理された約300項目に上る業務品質項目に基づき、実際に代理店に出向いて実地調査を行ったというわけだ。

 そのトライアルが終了し、検証結果および今後の方向性が生保協のホームページに9月24日に公表されている(https://www.seiho.or.jp/data/billboard/agencyqualitysg/)。そこで、トライアルのポイントや疑問点、課題をまとめてみよう。

 まず、どのようにトライアルを行ったのか。大まかな流れは以下の通りだ(資料2参照)。

◯事前に評価項目シートを代理店に送付
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◯代理店から資料を提出してもらい、その資料を検証する「オフサイト検証」を実施
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◯「オンサイト検証」を実施。生保協の事務局員4人が1チームとなり代理店を訪問し、2日間(1日あたり4時間)をかけて事前および当日に提出された資料を活用し、運営管理者等にヒアリング

 評価項目は約300と膨大なため、代理店の負荷が大きいのではないかと懸念されていたが、おおむね対応できる範囲だったようだ。もっとも現場の運営管理者からすれば、メールのウイルスチェックの体制についてなど、これまで査定に入っていなかった項目などもあり「決して軽い負荷ではなかった」との声が寄せられたという。

 また、判断に迷う設問や重複感のある設問があったのに加え、「P・D項目(必須対応項目)」とより高度な「C・A項目(任意対応項目)」に評価項目は区分されているが、その妥当性について実態に応じて見直されることになっている。

 そして、オンサイトは複数のチームに分かれて行ったため、チームによって評価の水準が異なっている可能性がある。生保協の業務教育部業務教育グループ調査役ヘッドチーフの濱田義博氏は「水準のばらつきについて検証を行っている」という。

 次に、かねて懸念のあった規模・特性による差異は、どの程度あったのだろうか。