5段階利益管理の経費項目を決める

 売上からコストを引いて商品ごと営業利益を導くまでに、原価、注文連動費、販促費、ABC、運営費に自社のどの経費を当てはめるか。

 どの項目にどの経費を入れるかがポイントになるので、一度やってしっくりこなければ随時見直しを行う。

 特に注文連動費、販促費、ABCは業種業態によって入れ方に工夫が必要だろう。

◆1.注文連動費

 物販を行う会社は必ずかかるが、B to Bの会社はかからないこともある。その場合は空欄でいい。

 当社の場合、注文を受けた瞬間に計上される。商品に同封する説明書、梱包資材を在庫として持ち、売上が上がったときに原価として計上される。

 また、注文が入ったら必ず決済手数料を支払う。代引手数料、カード決済手数料などだ。

 ある会社は、人気アニメのノベルティをつけて売上を上げることに成功した。

 しかし、利益は上がらなかった。注文連動費を見ると、ノベルティのコストが高すぎた。

 別の会社では、社長が梱包資材にこだわって、美しすぎる化粧箱を仕上げた。

 お客様の評判はよかったが、注文連動費がかさんで利益が上がりにくい。

 梱包は商品サイズによって送料が変わる。

 ある会社の人気商品を通販で売ってほしいと頼まれたことがあった。

 だが、製品サイズが大きく送料が高くなるので、注文連動費が高くなりすぎて断念した。

 日本郵便や各宅配便業者には規格があり、製品サイズに応じた送料がかかる。

 だから、当社では「幅△センチ以内なら□円、それ以上大きくなると送料が上がる」という規格に合わせて商品サイズを決めている。

 送料が高い商品の「純粗利率」は悪くなることに注意しよう。

◆2.販促費

 販促費は売上獲得にかかる費用と考える。

 ネット通販の場合、販促費はおもに広告だ。

 B to Bの営業を行っている会社では、営業部門の人件費を販促費に、受注後に納品のためにかかる業務部門の人件費をABCに置き換えると実態がつかめる。

 販促費をかければ売上は上がる。

 ネット通販の場合、広告費をかければ売上は上がり、B to Bの会社の場合、社員総出で時間をかけて営業すれば売上は確実に上がる。

 ただし、その分販促費がかかるので利益は少なくなる。

◆3.ABC

 人海戦術でやっている会社は人件費がかかる。

 たとえば、ソフトウェア業界の原価管理のポイントは人件費だ。

 一人の社員が複数のソフト開発に関わっている場合もあるため、社員が自分の時間をどの案件に何%費やしていましたと、月一回報告を行う。

 その社員の人件費をかかった時間の割合ごとに、各ソフトウェアの原価に入れる。

 そうすれば、ソフトウェアが売れても、人件費がかかりすぎていて利益が出ないとわかる。

 飲食店でメニューごとの売上があれば、調理にかかる時間からABCを算出できる。

 このメニューの売上は高いが、調理に時間と手間がかかるため、利益率が低い場合がある。

 注目するのは、自社で盲点となりやすいポイントを意識することが大切だ。