焦らずに「待つ」のが、
マネジメントの要諦

 自分とメンバーの「共通点」を探すことも重要です。

 相手との距離を近づけるコツは、とにかく共通点を見つけること。経験のある仕事や職種でも、趣味やスポーツでも、美味しい食事でもなんでもいいので、お互いに深く話せる「共通の話題」を見つけることができれば、一気に距離を近づけることができます。

 そのためには、それぞれのメンバーについて知る努力をすることです。私はメンバー同士がお互いのことを知り、より親密なコミュニケーションを可能にするために、会議などの場で、一人ひとりのメンバーに自己紹介プレゼンをしてもらうようにしていましたが、これは私自身がメンバーとの「共通点」を知るうえで大きな役割を果たしてくれました。あるいは、そのメンバーと親しい人に、さりげなく聞いて教えてもらってもいいですし、本人に直接聞いてもいいでしょう。

 そして、なんらかの「共通点」を見つけたら、それを「1on1」のなかで話題にしてみるといいでしょう。その話題でひとしきり盛り上がることができれば、精神的な距離感はグッと縮まっているはずです。

 あるいは、相手の好きなものを尋ねるのも効果的です。

 誰だって、自分が好きなものについては積極的に話したくなるからです。

 例えば、ハンバーガーが大好きなメンバーに、「どこのハンバーガーがおいしいか教えてよ」と頼めば、ここぞとばかりに話してくれるはずです。その話にしっかりと耳を傾ければ、相手も気持ちよく話してくれるでしょう。そして、好きなことをテンション高く話した後には、そのテンションに引っ張られて、仕事も頑張ったりするものなのです。

 その後、教えてもらったハンバーガーショップに実際に行ってみて、次回の「1on1」などで「すっごいおいしかったよ!」などと話題にすれば、彼は私に対する親近感を深めてくれるでしょう。そして、「今度、一緒に食べに行こうよ」という話にも発展していきます。こうして少しずつ歩み寄っていけば、自然とメンバーたちも心を開いてくれるようになるのです。

 それまでは、焦らないことです。

「1on1」をやっても、すぐには心を開いてくれないのは当たり前のこと。相手に対してリスペクトをもちながら、こちらから心を開き、歩み寄る姿勢を見せれば、多少の時間はかかっても、必ず、心を開いてくれるようになります。それまで、待てるかどうかが、管理職に問われているのです(詳しくは『課長2.0』をご参照ください)。