旧財閥の名前を冠していないため認知度は低いが、電機メーカーの東芝と日本電気(NEC)はそれぞれ、三井系の二木会と住友系の白水会に参加する企業だ。この2社には財閥との「100年の因縁」ともいうべき共通点がある。特集『三井住友 名門「財閥」の野望』(全18回)の#6で、その歴史をひもとく。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
100年を超えて繰り返される因縁
東芝の危機に登場する三井の銀行マン
今年4月に英投資ファンドから買収を提案され、当時の車谷暢昭社長兼CEO(最高経営責任者)が辞任に追い込まれるなど大混乱に陥った東芝。2018年に社長に就いた車谷氏は、三井住友銀行の副頭取を務めた旧三井銀行マンだった。
車谷氏のミッションは、不正会計や米原子力事業の失敗で経営危機に陥った東芝の再建にあったが、その100年以上前、やはり三井銀行から東芝に送り込まれた、ある銀行マンがいた。