安いニッポン 売られる日本#7Photo:RobinOlimb/gettyimages

ダイヤモンド編集部による独自集計で、英国は海外大口投資家別の「大量保有報告書」提出件数が世界1位となった。「英国紳士」による爆買い日本企業ランキングを作成したところ、三菱、三井、住友の財閥系企業も買い込んでいた。特集『安いニッポン 買われる日本』(全24回)の#7では、彼らの手口や思惑を徹底検証する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

日本電産も買われた
データで浮き彫り「英国の爆買い」

 海外から見て、割安な日本企業が買いまくられている――。この実相を探るため、ダイヤモンド編集部は「大量保有報告書」のデータに着目した。投資家は、株式の保有比率が5%を超えると、この報告書をタイムリーに提出しなければならなくなるのだ。

 過去3年間で、大量保有者別の提出件数は延べ5万件近く(対象は時価総額100億円以上の上場企業)。このうち住所ベースで海外の大量保有者と確認できたのは1万4572件。英国は7345件で50.4%のシェアを占め、世界トップに立った。2位米国のシェアは33.6%で、大差をつけている。

  次ページ以降、新型コロナウイルス感染拡大の前後で、「英国紳士」が投資の着眼点をどう変化させたかを具体的に検証する。独自ランキングも全4本用意した。早速、見ていこう。

図版:「コロナ後」に英国の大量保有者に買われた日本企業ランキング