好事家とは、普通の人とは違ったものに興味を抱いたり、関心を寄せたりする人。風流な人

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好事家(こうずか)

〔意味・由来〕 普通の人とは違ったものに興味を抱いたり、関心を寄せたりする人。風流な人。「好事」+「家」の三字熟語。「好事」には、「こうじ」と「こうず」の二通りの読み方がある。「こうじ」と読むと、よいこと、よい行いの意味になり、「こうず」と読むと、変わった物事を好む、風流を楽しむ、の意味になる。

 寺田寅彦は、東京帝国大学理科大学を首席で卒業後、大学院に進学した。また、夏目漱石の門下生でもある。まさに、物理学者の明晰さと文人の言葉の豊かさをあわせ持った人である。随筆『火事教育』には、東京の「ソビエトロシア印刷芸術展覧会」で、安直だが、芸術味の豊富なデザイン本に注意をひかれたとある。それらは子どもも大人の「好事家」も喜ばすには十分なものであったらしい。特に気に入ったのが、「火事」という児童教育の絵本。わが国の児童のために、芸術家や出版業者が、若干の火事教育を提供されることを切望する、と結んでいる。将来の日本の子どもたちのために、と考える寺田寅彦の「好事家」の魂が温かい。

〔引用〕 ――残念ながらわが国の書店やデパート書籍部に並んでいるあの職人仕立ての児童用絵本などとは到底比較にも何もならないほど芸術味の豊富なデザインを示したものがいろいろあって、子どもばかりかむしろおとなの好事家を喜ばすに充分なものが多数にあった。(寺田寅彦『火事教育』)

【この三字熟語わかりますか?】好□家(ヒント)風流を好む方。読みを間違えがちなので、ご注意を

西角けい子(にしかど・けいこ)
ステージメソッド塾代表/学習コンサルタント/三字熟語研究家
オムロンを退職後、日本有数の大手塾の激戦区である兵庫県西宮北口にステージメソッド塾を開業。
国語力を急伸させる独自の「ニシカド式勉強法」により、わずか6ヵ月でごく普通の成績だった7名の塾生を日本一(全国版学力テスト)に育て、多くのマスコミから取材される。「お母さんの言葉がけ」と、「暗記力」「ノート力」「作文力」アップを重視した「ニシカド式勉強法」は定評があり、倍率10倍以上の超難関公立中高一貫校に、14年連続地域No.1の合格者を出している。片道3時間以上かけて通う小学生や新幹線や飛行機で通塾する中学生もおり、塾周辺に転居してくる家庭も多い。
ひょんなことから、国語の世界で影が薄い「三字熟語」のおもしろさに気づき、軽やかで、庶民的で、思わずクスッと笑ってしまう三字熟語にハマる。三字熟語ラブな思いが高じて、三字熟語クイズを作り始めた。夏目漱石や太宰治などの文豪が使う「三字熟語」の巧みな表現にしびれ、文豪の人間味や生き方に興味を抱き、文豪の出生地巡りや墓参りをしながら、「三字熟語」の探究を続けている。