都心に16階建ての高層新校舎を建設、法学部や商学部を移転させ、国際コミュニケーション学部を新設するなど改革を進めている専修大学。偏差値でくくられ、固定化するイメージをいかに打破するか。特集『MARCH・関関同立に下克上なるか!?日東駒専&産近甲龍』(全19回)の#5では佐々木重人・専修大学学長が率直に語る。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山出暁子)
専修大学の
“生き残り戦略”とは?
――ストレートに伺いますが、専修大学ではどのような教育を行っていますか。また、改革は進めていますか。
「社会知性の開発」というキャッチフレーズの下、社会の課題解決に取り組んでいける能力を育てる。それが教育目標です。昨今、世界が重視しているSDGs(持続可能な開発目標)の理念にもシンクロしているので、特にそこに関連する研究・活動に力を入れています。
例えば、商学部の学生が環境配慮の観点から石川県の業者さんとコラボレーションして大麦の茎から作られる「大麦ストロー」を発信する。あるいは、カレーで有名な神保町にキャンパスがあるということもあり、東京都と組んで食品ロス削減関連で、余剰野菜を活用したカレーを販売するプロジェクトを行ったりしています。
さらに、国際交流協定校の一つであるラオス国立大学とラオス国立大学経済経営学部、ラオス商工会議所、川崎商工会議所と専修大学会計学研究所の6者で組み、ラオスに複式簿記の技術を普及させる活動もしています。これは国家プロジェクトに匹敵するという自負があります。
改革という点では、データサイエンス教育ですね。文学部では国語学で方言を分析し、心理学なら心理統計、社会学ならアンケート調査分析など、全学部に取り入れる改革を行っています。今はデータサイエンスがあらゆる分野で必要ですから。
――さまざまな改革を行う中、「日東駒専」とひとくくりで語られてしまう場合が多いことについて、率直にどう思われますか。