大学の実力を測る“入り口”が偏差値とすれば、その“出口”に相当するのが就職だ。特集『MARCH・関関同立に下克上なるか!?日東駒専&産近甲龍』(全19回)の#17では、日東駒専と法政大学の過去10年間の実就職率のみならず、大学通信が選定する「主要400社」への就職者率を掲載。さらに5大学の400社への個別の就職者数も公開する。入りやすくて、就職が良い大学を見つけよう。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
実就職率トップは東洋大も
400社就職率で各校が覇権を競う
「日東駒専」の就職力は、過去の10年間(2012~21年度)でどう変遷したのだろうか。それを知るべく、大学通信のデータを基に、4大学の「実就職率」と日本企業を代表する「主要400社」への就職率を比較しよう。
まず、実就職率における優勝劣敗から見てみよう。なお、実就職率は、就職者数÷(卒業生〈修了者〉数-大学院進学者数)×100で算出。大学院への進学者数が未集計の場合、実際の数値が掲載値よりも高いことがある。
過去10年間、ほぼトップの座を守っているのは東洋大学だ。そして、東洋大に続く2位が、年度によって例外はあるものの、前半5年間は日本大学、後半5年は専修大学という構図になっている。
片や主要400社就職率を見ると、別の一面が見えてくる。日大の主要400社就職率は17年度以前のデータが存在せず、12~17年度の比較は日大を除く3校になるが、13~17年度のトップは、同期間の実就職率で3~4位に甘んじていた駒澤大学だ。
だが、17年度に東洋大がトップタイで駒澤大に並ぶと、18~19年度は主要400社就職率でも東洋大が単独1位に躍り出る。ところが20年度に日大が逆転、最新の21年度はそのまま日東駒専の順番だ。
一方、より難関私大としてグルーピングされるMARCHと比較するとどうなるのか?日東駒専は入りやすくて就職ではお得といえるのか?
次ページから、その分析と併せて、日東駒専に法政大学を加えた5大学における過去10年間の実就職率と主要400社就職率の推移グラフを掲載。さらに主要400社各社の採用者数リストを公開し、実際にどの企業にどの大学が強いかが分かるようにした。
いわば、中堅大学の“出口”の完全網羅データを公開する。