新人教育システムに欠かせない“5つのポイント”

永田 御社の新人教育システムには、5つのポイントがあるとうかがいました。詳しく教えていただけますか?

秋山 まず1つ目は「人を育てる企業グループ」を目指して「成長職場」をつくっていくために、OJT リーダーによる新人指導を行うこと。2つ目は、OJTリーダーの支援のもとで、新入社員には1年かけて「経験学習サイクル」を自分でまわす力を身につけてもらうこと。3つ目は、ハイパフォーマー組織人への成長を支援すること。4つ目は、OJTリーダーの学習や指導を通して「学び、教え合う風土」を醸成すること。5つ目は、社内講師化によって、自社のニーズに合致した教育を推進すること――この5つを現在進めているところです。

永田 OJTリーダーによる指導の目的は「成長職場をつくる」とのことですが、「成長職場」とは具体的にはどのような職場を指しますか?

秋山 この考え方は立教大学の中原淳教授の書籍から学んだ考え方ですが、「成長職場」には2つの観点があります。ひとつは、努力すれば手が届くようなストレッチな目標が設定されているかどうかです。絶対に手が届かないような目標に挑戦させたり、すでに達成が目に見えているような目標しか設定されていなかったりすると、人はうまく成長できません。もうひとつは、上司や先輩が業務面・精神面ともにフォローする体制が整っているかどうかです。放置も過干渉も成長には繋がりませんから。この2点から見て、各個人に応じたレベルの課題が設定され、上司や先輩が適宜フォローしてくれる職場を「成長職場」と言うことができます。