トヨタグループが、日本最大級の再生可能エネルギー専業企業、ユーラスエナジーホールディングスの買収を検討していることが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。特集『新・グリーンエネルギー戦争』(全7回)の#1では、世界一の自動車メーカーであるトヨタが、畑違いの再エネ企業に触手を伸ばす理由を解き明かす。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
世界一の自動車メーカーが
なぜ異業種の再エネ企業に触手?
総合商社トーメン(現豊田通商)グループの電力事業として1986年にスタートしたユーラスエナジーホールディングスは、国内外で太陽光や風力発電事業を展開している。発電容量は329.4万kWで、そのうち国内は陸上風力を中心に101.3万kWを保有し、日本最大級の再エネ専業企業である。
ユーラスの株主構成は豊田通商60%、東京電力ホールディングス(東電HD)40%。ユーラス関係者によれば、トヨタグループは、東電HDが持つ株式の取得を目指しているという。同じ関係者は「一昨年から豊田通商を通じて、ユーラスはトヨタから買収のアプローチを受けている」と内情を明かした。
トヨタ自動車は世界一の自動車メーカーであるが、エネルギーに関して言えば全くの門外漢である。そのトヨタがなぜ、再エネ企業獲得に走っているのだろうか。
次ページからは、トヨタが再エネ企業獲得に走る理由を詳しく解説する。そして、東電HDがトヨタ側の買収提案に応じる可能性についても明らかにしたい。