NTTグループに空前の「モテ期」が到来している。子会社のNTTアノードエナジーに、再生可能エネルギー開発や事業買収などの依頼が殺到しているのだ。特集『新・グリーンエネルギー戦争』(全7回)の#5は、モテ期を好機と捉え、発電や小売り事業などに本格進出するNTTグループの実態を解き明かす。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
再エネに大盤振る舞い!
通信業界の王者NTT
悲しいかな、潤沢な資金を持つ者に、ビジネスは吸い寄せられる。極論すれば、金が全て。再生可能エネルギーの獲得に奔走するある大手新電力幹部は、そんな現実を認めざるを得なかった。
この幹部は「あれだけ再エネに金を積むとなれば、いい意味でも悪い意味でもいろんなところから引っ張りだこですよ。弊社は金にシビアなので、あんな大盤振る舞いはできない」とある業界の王者をやゆした。
再エネを巡って、空前絶後の「モテ期」が到来しているのは、通信業界の頂点に君臨する日本電信電話(NTT)グループだ。
次ページからは、NTTがモテ期を迎えた理由を解き明かす。またNTTがある企業の再エネに触手を伸ばす実態や、電力業界が戦々恐々とする小売り事業への進出についても詳報する。