新・グリーンエネルギー戦争#4Photo:FotoMaximum/gettyimages

日本最大の発電事業者であり、世界最大のLNG(液化天然ガス)取扱量を誇るジェラは、1750億円もの巨額を投じてフィリピンの大手電力会社に参画した。日本、フィリピンでの事業を通じて「東南アジア丸ごと脱炭素化」をリードする壮大な野望を抱いている。特集『新・グリーンエネルギー戦争』(全7回)の#4では、ジェラが懸ける脱炭素戦略に迫る。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

ジェラが繰り出した
フィリピンでの「次なる一手」とは

 地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が締結された2015年12月から4年が過ぎた20年初め、ジェラの可児行夫取締役副社長は、日本から3000km離れたフィリピンの首都マニラに飛んだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大の足音が近づく中、フィリピンの財閥大手アボイティスグループの本社で、グループ幹部とある交渉をするためだ。

 ジェラはフィリピン・ルソン島で展開する石炭火力発電所のプロジェクトに参画。この石炭火力は、フィリピンで大きな影響力を持つアボイティスグループ傘下の大手電力会社、アボイティスパワーと共同で運営していた。

 もともと前身の東京電力時代からアボイティスとは10年以上の付き合いがあり、良好な関係を築いていた。そして、ジェラは「次なる一手」を考えていた。