米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう「WSJ3分解説」。今回は欧米での新型コロナウイルスを巡る飲食店・オフィスの空調の議論について取り上げます。会食での感染や職場クラスターなどが問題視されている日本社会にとっても、参考になるのではないでしょうか。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
新型コロナが急拡大する米国と
それほどでもない欧州の違いとは
東京都で7月9日、新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者数が過去最大の224人に到達。翌日にはさらに増えて243人を数えるなど、第2波ともいえるほどの感染急拡大の局面を迎えました。13日になると119人に下がりましたが、予断を許さない状況が続いています。
感染者が増えている背景には、緊急事態宣言が解除され、経済活動の再開とともに繁華街、いわゆる「夜の街」へ向かう人出の増加があると指摘されています。さらに、そこでの感染拡大が日中のオフィスへと波及し、職場でのクラスター発生の危険性も指摘され始めています。
そんな中で、米有力経済紙の「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)では、米国と欧州の飲食店やオフィスでの空調の使い方について、新型コロナ感染予防の観点から報じています。
●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>飲食店でのコロナ感染、欧州少なく米で多いわけ
記事では、米国ではレストランやバーが新型コロナに感染しやすい場所だとしていますが、欧州では人が集まるビストロやピッツェリア、カフェでの大型の感染が起こっていないことを紹介しています。
記事によればその違いは「新鮮な空気」だとして、以下のように指摘しています。
「米国では夏のひどい暑さのため、レストランやバーのような人が集まる屋内スペースでは窓を閉め、エアコンをつけている。一方、欧州では夏の暑さは比較的マイルドな傾向にあり、大半の屋内スペースにそもそもエアコンがない」