米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう『WSJ3分解説」。今回は時価総額で自動車メーカー世界一になった米電気自動車メーカー、テスラの好調ぶりを取り上げます。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
テスラが利益創出フェーズへ
業績と株価が爆上げ状態に
米国の新興電気自動車メーカー、テスラが絶好調です。
7月2日、2020年第2四半期(4~6月)の納車台数が9万0650台となり、市場の予想をクリアしたことが判明すると、株価は一気に上昇。22日に発表された20年第2四半期の業績は、純利益が1億0400万ドルとなり、創業以来初の4四半期連続黒字を達成しました。
7月1日にトヨタ自動車の時価総額を超え、自動車メーカーで世界一になったことが話題になりましたが、テスラのその後の株価急騰で、トヨタとの差はさらに開いています。7月27日時点で、トヨタの時価総額約22兆円に対して、テスラは30兆円に達しました。
米有力経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」では以下の記事で、このテスラの好調ぶりを取り上げています。
●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>テスラ、初の4四半期連続黒字を達成
「テスラは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)やリセッション(景気後退)の長期化リスク、一部アナリストの赤字予想をいずれもはね返し、4~6月期(第2四半期)に1億0400万ドルの利益をたたき出した。温暖化ガスの排出枠(クレジット)売却が寄与した」
テスラは創業17年ですが、その間、調達した資金のほとんどを、電池などの基幹部品の研究開発投資に費やしてきました。会社は投資フェーズにあったため、決算は毎期のように赤字。市場関係者からは、いつ投資フェーズを抜け出し、利益創出のフェーズに移るのかという点に注目が集まっていました。
今回、初めて4四半期連続で黒字を達成したことで、投資家からは待ちに待った利益創出フェーズに移ったとみられ、期待と株価が爆上げ状態になっているのです。
そんな上げ潮状態のテスラの勢いは、まだまだ続く可能性がありそうです。WSJは、テスラに対して二つの期待が高まっていることを指摘しています