米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう『WSJ3分解説』。今回は、大規模なハッキングに見舞われた米ツイッターを取り上げます。今回の騒動で露呈した同社の構造問題とは何でしょうか?米フェイスブックの広告主離脱問題に続くSNS大手の受難の時ですが、そこに「次世代SNS」の胎動まで聞こえてきました。(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)
大規模ハッキングで露呈した
ツイッターの構造問題とは
世界有数のSNS(交流サイト)であるツイッターのプラットフォーム上で、バラク・オバマ前米大統領や米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏などの米政財界の超大物、米アップルなどの超一流企業が詐欺の片棒を担がされる――。そんなショッキングな事件が先週発生しました。
ハッキング被害によってツイッターのアカウントを乗っ取られた主な著名人は下記のようなそうそうたるメンバーです(敬称略)。
【政界】
バラク・オバマ:前米大統領
ジョー・バイデン:前米副大統領、現民主党大統領候補
【財界】
ビル・ゲイツ:マイクロソフト創業者
ジェフ・ベゾス:米アマゾン・ドット・コムCEO(最高経営責任者)
イーロン・マスク:米テスラCEO
ウォーレン・バフェット:著名投資家
【企業アカウント】
米アップル
米ウーバー
こうした人々や企業のツイッターアカウントがハッカーに乗っ取られ、ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)を送金してくれたら「倍にして返す」などと一斉につぶやいたのです。
この事件について、米有力経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の記事を基に解説したいと思います。取り上げるのは次の2本の記事です。
●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>ツイッター、最大の強みが弱み
●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>ツイッターのハッキング、背後にアカウント売買市場
この事件は、米ツイッターが抱えてきた構造問題を浮き彫りにしたとWSJは指摘。米フェイスブックのビジネスモデルと比較し、その構造問題を分析しています。
最近フェイスブックは、差別問題を軽視しているとして広告主のボイコットが相次ぐという逆風を報じられていました。そこに重なったツイッターの大規模ハッキング問題。大手SNSにとって今は受難の時代です。さらに、米国では「次世代SNS」の胎動も聞こえてきているとWSJは伝えています。
では、ツイッターの構造問題とSNSの未来について、WSJを基に解説していきましょう。