決算書100本ノック! 2021冬#6Photo:AFLO,Diamond

国内ビール市場が縮小を続ける中、ビール2強のアサヒグループホールディングスとキリンホールディングスは海外M&A(企業の合併、買収)に活路を見出してきた。しかし21年には、目立ったM&Aは行われていない。特集『決算書100本ノック! 2021冬』(全16回)の#6では、決算書を読み解き、21年に海外M&Aが”凪”となっている理由と、両者が次に買収する「時期」と「ジャンル」を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

ビール2強のアサヒとキリン
21年は海外ビールのM&Aが“凪”

 アサヒグループホールディングスとキリンホールディングスのビール2強。2021年、両者の海外企業の大型M&Aは”凪”となっている――。

 国内ビール市場は20年までの16年連続で縮小を続け、アサヒとキリンは海外ビールメーカーのM&A(企業の合併、買収)に活路を見出し、盛んに大型買収を行ってきた。

 しかし、21年は、アサヒとキリンで目立った海外M&Aは行われていない。実は、両者の決算書を読み解けば、その理由がわかる。ただし、決算書の”ぱっと見”の印象や常識とは真逆の明暗が隠れているから、読解にはコツが必要だ。

 さらに、決算書をさかのぼり分解すれば、両者が次に買収する「時期」と「ジャンル」まで見えてくる――。