原子力規制委員会の
初代委員長となった田中俊一
理不尽にも朝敵=賊軍に追いやられてしまった幕末・維新の会津藩の悲劇は、多くの小説やテレビドラマ、映画に描かれてきた。福島県はこの10年余では、原発事故にも見舞われている。福島県立会津高校(会津若松市)は、そうした歴史を背負っている。
会津若松市は福島県といっても奥羽山脈沿いの内陸にあるため、2011年3月11日の東日本大震災では津波被害を免れたし、東京電力福島第一原子力発電所の過酷事故の直接的な被害は受けていない。しかし、津波で家を流されたり、放射線から避難した太平洋岸の住民をたくさん受け入れた。
事故後に動向が頻繁にニュースに取り上げられた卒業生がいる。12年9月から環境省の原子力規制委員会の初代委員長に就任した工学者の田中俊一だ。