東急田園都市線2020系東急田園都市線2020系 Photo:PIXTA

大手私鉄15社の中間決算が出そろった。昨年度に比べて業績回復が顕著となったものの、アフターコロナに向けた新たな課題も浮き彫りとなった。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

大手私鉄15社で
11社が最終黒字

 JR上場4社と大手私鉄15社の中間決算が出そろった。今期は4月から9月までほとんどの期間で緊急事態宣言が発出された影響で引き続き厳しい数字が並ぶ結果となったが、JR東日本・JR西日本・JR東海のJR本州3社とそれ以外で、明暗が分かれつつある。

 JR東日本は前年度同期に約2644億円だった純損失が約1452億円、JR西日本は約1281億円が約686億円、JR東海は約1136億円が約445億円と縮小。これは定期収入がほぼ横ばいだったのに対し、新幹線や在来線特急を含む定期外収入はやや回復したことと、営業費の削減が進んだことが寄与しているが、依然として巨額の赤字を計上している。