京王線殺傷事件・平時の京王線調布駅ホームドア写真は平時の京王線調布駅 Photo:PIXTA

東京・調布市を走行していた京王線の車内で10月31日、乗客の男女17人が刃物で切りつけられるなどして重軽傷を負った。停車した車内から多くの人が脱出するニュース映像を見て、次のように疑問に思った人は多いのではないか。なぜ乗客はドアではなく窓から脱出しなければならなかったのか。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

小田急線の事件に続き
またしても車内で凶行

 またしても電車内で凶行が引き起こされてしまった。10月31日午後8時頃、京王電鉄京王線の上り特急列車が調布駅を発車後、24歳の男が3号車で70代男性を刃物で刺した後、5号車でペットボトルに入れたライターオイルを車内にまいて火をつけた。

 電車は乗客の通報を受け本来は通過駅である国領駅に緊急停車し、駆けつけた警官が殺人未遂の現行犯で男を逮捕した。刺された男性が意識不明の重体で、16人が煙を吸うなどして病院に搬送された。