銀行としては、マイナンバーが何らかのビジネスに使える場合があると考えているのかもしれない。油断ならないと思ったが、筆者の場合、銀行のセールスに影響される可能性はなさそうだから、いいことにした。

税務署が怖い人も追加的に
不利を被ることは少ないのではないか

 一般の人で、例えば税務署が怖い場合も、既に税務署は金融口座を把握しているのだから、マイナンバーとのひも付けで追加的な不利を被ることは少ないのではないか。もっとも、マイナンバーがあることによって税務署側のデータ処理は効率化されるので、「網」が大きくなったり、「漏れ」が減ったりすることはあるのかもしれない。

 なお、実際の公金受取口座とマイナンバーのひも付けでは、そのことで政府に預金残高などの情報が知られることはないという。また、税務調査等の法令に基づく場合を除いて、預貯金口座の残高や取引記録などが確認されることもないと説明されている。

 筆者には「絶対に損はないから、7500円もらおう」と言い切る自信はないので、読者ご自身が損得を判断してほしい。

 筆者は、自身の63歳という年齢を調整してITリテラシーを考えた場合、「上」のグループにも、「下」のグループにも入っていないだろうと自己評価している。そのような筆者が、スマートフォンとマイナンバーカードと時間的余裕があれば、三つの手続きができたことをご報告しておく(途中で少し心配したけれども)。

マイナンバーのあるべき姿
脱税が難しくなるのは大歓迎すべきこと

 さて、例えばマイナンバーと税金について考えてみよう。マイナンバーでデータが管理できることによって、脱税が難しくなったり徴税の漏れが減ったりすることの、個人にとっての損得はどうか。税務署がより強力になるのだとすると、何となく不利になるように感じるかもしれないが、大多数の人にとってそれは違う。

 脱税しようとする意図も能力もない多くの納税者にとって(筆者自身もその一人だと思っている)、脱税がより難しくなって徴収される税金が増えることは、「他人が払う税金が増える!」ことなので、大いに歓迎すべき事態だ。大いに進んでほしい。

 このことは国税庁をはじめとして政府が、具体的な見込みの数字なども添えて、もっと訴えていい話ではないだろうか。