PCR検査キット写真はイメージです Photo:PIXTA

ワクチン普及前にさまざまに注目を浴びたPCR検査と抗原検査が、11月の閣議決定で3月まで無症状者にも無料化、との決定がなされた。連載『医療費の裏ワザと落とし穴』の第232回では、気になるその内容について、これまでと何が変わるのか、経緯とポイントを押さえておこう。(フリーライター 早川幸子)

新型コロナの第6波に備える!
無症状でもPCR検査が無料になる

 11月19日、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」が閣議決定された。

 今回の経済対策の狙いは、「目の前の新型コロナウイルス感染症の困難を乗り越え、ポストコロナの未来を切り拓くことで、国民の皆様に安心と希望をお届けするもの」と記されている。全体の財政規模は55.7兆円。具体的な対策は、4つの柱で構成されており、次のような予算が組まれている。

1 新型コロナウイルス感染症の拡大防止 22.1兆円
2 「ウィズコロナ」下での社会経済活動の再開と次なる危機への備え 9.2兆円
3 未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動 19.8兆円
4 防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保 4.6兆円

 予算の内訳を見ると、その多くは、感染拡大に備えた医療の提供体制の強化、コロナ禍で影響を受けた事業者や個人への支援など、コロナ対策に配分されている。なかでも、今一番耳目を集めているのは、18歳以下の子どもや低所得層に1人当たり10万円相当を支援する現金給付だろう。

 だが、注目したいのが、コロナ関連で個人が支払う医療費に影響する費用項目に、新たに計上された予算だ。それが、PCR検査や抗原検査など、新型コロナウイルスへの感染の有無を調べるための検査費用に関するものだ。

●これまでは医師・保健所が認めた場合のみ保険適用となったPCR・抗原検査
●今後はワクチンにアレルギー等がある人、自治体が認めた場合などに無料範囲が広がる、期間は22年3月までの予定