米国が朝鮮問題を国連に持ち込み、国連が1947年11月14日に国連監視下で南北朝鮮の総選挙と統一政府樹立を行うことを決定した。そして翌年48年1月、国連は国連朝鮮臨時委員団(UNTCOK)を朝鮮に派遣し、総選挙実施の可能性調査を行った。しかし、ソ連がUNTCOKの入北を拒否したため、米国はUNTCOKが活動可能な南朝鮮単独での選挙を決定したものである。

 米国は李承晩(イ・スンマン)氏や金九(キム・グ)氏を絶対的に支持していたわけではなく、中道派を軸に左右の勢力を取り込んだ政権を実現しようとしたが挫折し、結局、李承晩氏を中心とする政権が樹立された。

 当時の政権に日本の朝鮮統治に協力した者がいたとしても、それは韓国で政治、経済、行政の経験のあるものは日本統治と何らかの関連を持っていた人が中心であり、そうした人を排除することは不可能であった。日本の統治に関与した人がいたからといって、大韓民国を親日勢力が作った政権と言うのは筋違いである。

 李在明氏はさらに、「日本の敗戦後、38度線以南を軍政下に置いた米軍は『占領軍』である」と述べた。

 確かに、米国は第2次世界大戦終了後、38度線の南部に進駐した。しかし、それは韓国を占領するという意図ではなく、ポツダム宣言に基づいて朝鮮の独立を進めるためのものである。米国は、その後、北朝鮮の侵略や中国軍の介入から韓国を守るため大きな犠牲を払い、朝鮮戦争後も北朝鮮の度重なる挑発から韓国の安全を守るために主導的役割を果たした。

 他方、北朝鮮の侵攻を黙認したソ連や、朝鮮戦争に介入した中国を、李在明氏は非難していない。米軍の支援によって現在の韓国が守られ、世界の10位に入る国に発展したことを認めないのだろうか。

 このように李在明氏は、大韓民国成立や朝鮮半島分断の過程から歴史改ざんを行っている。李在明氏は韓国の現在があるのは米軍のおかげであるとの認識を有しているのだろうか。