日韓国交正常化に関する
李在明氏の歴史改ざん

 李在明氏は、韓国の建国過程について歴史認識を改ざんするのみならず、日韓国交正常化の過程についても史実に基づく解釈をしない。

 李在明氏は、朴正煕政権が反対する学生のデモを弾圧し、強引に日本と基本条約を結んだと解釈しているのだろう。過去の弱かったころの韓国が、歴史清算をせず日本から十分な償いを得ないまま国交正常化したとして、当時の大韓民国の指導者を批判している。

 日本政府は正式な国交開始と同時に、韓国に対し5億ドル(1800億円。無償3億ドル、有償2億ドル)および民間融資3億ドルの経済協力支援を行った。当時の韓国の国家予算が3.5億ドル、日本の外貨準備が18億ドルであったことから、これは決して少なくない金額であるが、これを十分というかどうかは立場により異なるのかもしれない。

 それでも、この資金によって韓国が「漢江の奇跡」を成し遂げたことは事実である。

 1965年に締結された韓日請求権協定では日韓の請求権がすべて解決したと取り決められている。しかし、李在明氏は「国家間合意で構成員の人権侵害を合理化したり、個人的権利を処分することはできない」と述べ、日韓請求権協定を認めない考えを示すとともに、日本企業に元徴用工への損害賠償を命じた判決について、「加害企業と被害民間人の間で行われた判決を執行しないということは事実上不可能」と述べている。

 こうした解釈は、国際法上そぐわない。しかし、歴史の解釈を変えることでそれを認めさせようとしているのかもしれない。