安川健司・アステラス製薬社長CEOインタビューPhoto by Masato Kato

医薬品売上高2位のアステラス製薬。経営陣の高額報酬、相次ぐリストラ、手厚い退職加算金など、売上高トップの武田薬品工業に似通った点は少なくない。武田薬品に倣っているのか、否か。安川健司社長CEO(最高経営責任者)が真意を明かした。(聞き手/ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

米国人のサラリーが
日本人の何倍もあった

――安川社長CEOの2021年3月期の報酬は4億8800万円。武田薬品工業社長CEOは18億7400万円。近年のアステラス経営陣の報酬は、製薬業界で武田薬品の次に目立っています。

 05年のアステラス発足の時から「適所適材」と言っています。開発部隊から始めて研究、営業部隊、本社機能と、ここ10年ぐらいで会社中の組織をグローバライゼーションしてきました。

 年齢、国籍、性別、宗教を問わず、一番適した者を適した部署に配置。例えばこの本社でも、経営戦略部長は英国人の男性(ダイヤモンド編集部注:ただし勤務地は英国)、ポートフォリオ戦略部長はブラジル人の女性、法務知的財産部門長は米国人の男性(同、米国)。

 そういう世の中が来たときに、米国人ならば米国の人事システムとかだと不公平が起きます。そこでサラリーはその人が持っている責任に応じてグローバルにグレードを付ける。要するに顔を見て給料を決めるのではなくて、その人の責任でもって給料を決めます。

 この原則にのっとる前は、欧州は欧州の販社、米国は米国の販社といった感じで人事、サラリーのシステムが統一していなかった。同じポジションであっても日本人と比べ、米国人だとサラリーが何倍にも高くなってしまっていたのです。