建築設計の技術だけでは価値を提供し切れない
Photo by Masato Kato

建築設計事務所は「建築設計」の仕事が中心であり、設計大手である日建設計の歴代社長は建築設計畑出身者だった。ところが今年1月に就任した新社長は「街づくり」のプロ。傍流ともいえるところから大抜擢の裏にある「異変」を大松敦社長が明かす。(ダイヤモンド編集部 松野友美)

会社が大きく変わっていく節目
だから任されたのだろう

――設計事務所といえば、ビルや商業施設、邸宅などの建築物を設計する「建築設計」を行う印象が強くあります。1月に就任した大松社長は、建物だけを設計するのではなく再開発や公共空間(パブリックスペース)など広範囲を設計する「街づくり」の分野で長年ご活躍ですよね。

 はい。これまでの当社社長のほとんどは建築設計をやってきました。私は街づくりが専門。だから社長就任の話があったときは皆さんに納得してもらえるか少し心配でした。会社が大きく変化していく節目だから任されたのだろうと理解しています。

――街づくりの領域を強化するために抜擢されたのですか。

 会社のブランドビジョンの中に「社会環境デザインの先端を拓く」というものがあります。これを作ったのはおそらく1980年代後半でした。今、ようやくこのビジョンが示す時代になったということでしょう。

――なぜ街づくりに力を入れるようになったのですか。