経営コンサルタント・西村克己氏が新著『できるコンサルタントがしている ロジカルシンキングの技術』を上梓。同書からの一部抜粋で、日常業務に役立つロジカルシンキングの基本を、論理的思考の基礎となる三角ロジックをベースに、わかりやすくレクチャーする。
日本の学校教育では
論理思考=数学
学校教育において、「論理思考」の授業を受けた人はいるでしょうか。一部の私立学校を除いて皆無といっていいでしょう。
学校教育では数学が論理思考を代表していると解釈しているのです。それでは数学が得意な人、理系の学部を卒業した人たちは、論理思考を仕事で役立てているでしょうか。残念ながらほとんどの人たちが、論理思考を活用できていないのが現状です。
日本の学校教育では「数学=論理思考」です。しかし米国のMBA(経営学修士)では、論理思考の授業が存在します。
理系で学ぶ数学だけでは視野が狭くなりがちで、思い込みのため全体像をつかめないケースがあります。一般に技術者は限られた範囲での論理思考が得意ですが、業務を広げたときに、能力を発揮できないことがあります。その結果、日本企業の多くは、「技術で勝って経営に負ける」状態になってしまいました。