米半導体大手インテルは成功するための仕掛け時を知っている。ただし、それがいつまで続くかについてはわかっていない。インテルは6日、自動運転車部門モービルアイの上場計画を発表した。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、2022年半ばの新規株式公開(IPO)を目指しており、約500億ドル(約5兆6800億円)の評価額を見込んでいる。IPO後、インテルはモービルアイの過半数株式を保有する。モービルアイは現在の経営陣が引き続き運営し、最近買収したムービットの事業やインテルの他の自律走行関連部門を統合する。モービルアイは、自動車の自動運転機能に使われるカメラシステムの画像処理半導体に特化した企業だ。2017年に150億ドル強で買収した企業に500億ドルの評価額がつけば素晴らしいリターンと言える。また、現在の年間売上高が10億ドル強にすぎない企業に対する評価としても、通常なら相当高い水準だ。だが、これは普通の市場ではない。少なくとも自動車の未来に関連するものについては、そうだ。電気自動車(EV)や自律走行車分野では今年、従来の上場方式か特別買収目的会社(SPAC)によるものかを問わず、株式公開ラッシュとなっている。新興EVメーカーのリビアン・オートモーティブとルーシッド・グループは、まだ最初の車を出荷したばかりにもかかわらず、時価総額が700億~1000億ドルに達している。言うまでもなく、テスラの現在の時価総額は1兆ドルを超えており、年間売上高で見た世界の大手自動車メーカー上位10社の時価総額合計よりも多い。
インテル、モービルアイ上場の勝算は
車載用半導体の子会社IPOは理にかなっているが――
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