みずほが、不祥事を何度繰り返しても生まれ変われず、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業文化を酷評されるに至ったのはなぜか。その真相をえぐる本特集『みずほ「言われたことしかしない銀行」の真相』(全41回)の#11では、みずほが最初の大規模システム障害を起こした直後の2002年4月にフォーカスする。

押し寄せる損害賠償請求――。みずほのシステム障害で被害を受けた顧客から損害賠償を求める声が続々上がった。みずほは、ひそかに補償請求、貸出し金利引下げ要求などのクレーム実態調査を開始。内部文書による一斉指示に、焦りがにじみ出ていた。

「週刊ダイヤモンド」2002年5月25日号特集「みずほ漂流銀行」を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

押し寄せる損害賠償請求
ブランド失墜の重い十字架

 みずほのシステム障害は、銀行規模の巨大さゆえに、日本経済を混乱に陥れた。空気のような存在だった決済システムの歯車がひとたび狂えば、市民生活すら影響を受ける。決済マヒの余波は、思わぬところにも及んでいる。