しかし、一律にお金を配って、税金で公平性を調整するという方法で、「公平な再分配」が十分可能なのだ。

 もちろん、支給は迅速にかつ低コストで行う方がいいことは、年末が迫り、振り込みが2回に分かれると追加の手間と振込手数料が気になる各自治体が強く感じていることだろう。

「ベーシックインカム」のような
継続的な現金支給が好ましい

 そして最後に付け加えるなら、「1回限り○○万円」というお金の渡され方では、国民は安心だと感じないだろうし、なかなか財布のひもを緩めないだろう。「毎月○万円」といった継続的な現金支給の方が好ましい。

 大きなくくりで言うと「ベーシックインカム」のような政策が理想的だが、いきなり全面的にベーシックインカムを実現しなくとも、さまざまな手法がある。例えば国民年金(厚生年金の加入者は基礎年金)の財政負担を、保険料の2分の1である現状から全額にする(現役世代に対して現在の保険料負担である毎月1万6610円相当の負担軽減効果が発生する)といった「実質的かつ部分的なベーシックインカム」のような政策も可能だ。

 大いに工夫してもらいたい。「良いバラマキ政策」の原則を理解した上でなら、アイデアを求めて「聞く力」を発揮するのも悪くないだろう。