企業悶絶!インフレ襲来#8写真提供:コマツ

建設機械の国内最大手、コマツが製品価格を値上げした。世界的な資源高はコマツの業績にとって追い風ではあるが、そこにはリスクも潜む。特集『企業悶絶!インフレ襲来』(全13回)の#8では、コマツの小川啓之社長にこの局面の乗り切り方を直撃した。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

原材料費も物流費も高騰
建機を国内で1割値上げ

――鋼材・部材などの高騰が顕著です。コスト高による業績への影響は。

 上期決算発表時に、2021年度の原材料価格などの原価増の影響が390億円、物流費高騰の影響が85億円の減益要因としており、現時点でも大きな変更はない。これをカバーするために、販売価格のアップ、原価低減、固定費も含めたコスト低減、中期経営計画の成長戦略を推進する。

 国内では建設機械およびフォークリフトの全製品を対象に、22年1月受注分より販売価格を平均10%アップする。22年度は各地域の販売価格アップが1年間フルに効いてくるので、鋼材価格・物流費アップの影響は最小限に抑えられると考えている。

――資源高、インフレの傾向は中期的にはどの程度続きそうですか。