中国人の技能実習生は減少傾向だが、増える可能性も

 技能実習生なども含む外国人労働者や留学生は来日する際、出入国在留管理庁(入管)から在留資格の事前認定を受ける必要がある。しかし、日本経済新聞によれば、新型コロナウイルスまん延防止の水際対策で来日できていない外国人が、昨年10月1日時点で約37万人に達している。その7割が、技能実習生や留学生だ。2020年1月以降に57万8000人に認定証明書を交付したが、うち37万1000人が来日できていない。

 山東省青島で人材派遣を業務としている知り合いの会社も、すでに来日ビザを手に入れた中国人技能実習生が120名いるにもかかわらず、日本への出発はいまだにできない状態が続いているという。

 新年に訪問した例の労働組合の責任者とは旧知の間柄だから、久しぶりの再会は自然に20年前との比較や思い出話になった。

「二十数年前、莫さんと一緒にはじめて千葉県銚子市を訪問したとき、自転車に乗って移動する研修生の大群が道路の向こうからやってくるのを見て、まるで中国のどこかの都市にいた錯覚を起こした。いまや僕が毎週訪れる相模湖周辺でも、このような光景が見られる。しかし、自転車に乗っているのはベトナムからの技能実習生だ」

 中国人技能実習生の減少傾向については、私がすでに2008年時点で、予見していた。当時、私は「やがて中国は労働者輸入国になる」という内容の記事を発表し、中国が外国人労働者を輸入し始めている実情を紹介している。5年単位のスパンで中国人技能実習生の増減を見るなら、私は減少傾向がこれからも続くと思う。しかし、短期間的にそのトレンドを測るなら、部分的に増える可能性もある。その大きな原因はやはりコロナ禍の影響によるものだ。