首相の岸田文雄にとって初めての通常国会が1月17日に召集された。会期は150日間で6月15日まで。閉幕直後には3年に1回の参院選が巡ってくる。投開票日は7月10日になることがほぼ動かない。いわば「参院選直結型国会」だ。参院選は首相の解散権の行使によって実施される衆院選と違って、選挙の期日を決める与党側の裁量権は極めて限定的だ。
「不祥事、スキャンダルなど突発的な問題の直撃があれば態勢の立て直しは難しい」(自民党幹部)
ましてや新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないさなかの国会だ。沖縄、山口、広島の3県に続き東京都など首都圏プラス愛知県などを対象に「まん延防止等重点措置」が適用された。感染状況の推移とそれに連動する国民世論の動向を見ながらの国会運営とならざるを得ない。
安倍晋三、菅義偉の2人の前任者も通常国会中の感染拡大に翻弄され、立て直しができずに政権を失った。今のところ岸田は首相就任から3カ月を経てもなお高い内閣支持率を維持する。17日付の「読売新聞」朝刊が報じた岸田内閣支持率も66%、昨年12月実施の調査から4ポイント上昇した。「これまでの結果に対する評価というより、岸田のコロナとの向き合い方を国民が支持していることの反映ではないか」(岸田側近)。
確かに首相就任以降の岸田のコロナ対応には大きな特徴がある。