山田ルイ53世さんが問題提起
「誰もが一律にキラキラ輝く必要ある?」

 山田ルイ53世さんは自らの経験に基づいて、「うちにひきこもっている子がいるのが引け目だったのか、多趣味だった親は習い事をすべてやめちゃうんです。でも、親は自分の人生を楽しんでいた方が、家の空気感も上がる」とアドバイス。そして、ひきこもる本人への声がけについても、「間違ったことを言ってしまったなと思っても、正解があるわけではないし、トライ&エラーで試すしかないと思う」と言及する。

 命や尊厳を守るために外の世界から退避して家にひきこもっているとき、世話になっている家族に申し訳ないという罪悪感を持つのは、多くの当事者に共通する心情だ。親が自分自身の人生を楽しめるようになることで、それまでの険しかった表情が和らいで、ひきこもる本人もホッとできて動けるようになったという事例は数多くある。

 そして、山田ルイ53世さんは「自分らしく頑張ればいい」という大人がもてはやされている風潮があることに触れ、「人間誰もが一律にキラキラ輝く必要があるのか?」と、自分らしさは見つけなければいけないものなのかと問題提起もした。すると、高橋さんは「私もAKB時代、後輩との話や握手会などでいろんな世代の人が来た時に、『夢って見つかるんですか?』みたいな話題になる。夢があれば、達成するために迎える楽しさはあるけど、夢や自分の存在意義を見つけるのがいちばん難しい」と明かす。

「ひきこもり」の事情が人の数だけ違うということは、生き方がいっぱいあるのでパターン化した対応があるわけではなく、「答え」も1つではない。今は、日々を生活していくことに精一杯の人も多く、なかなか夢を描きにくい時代だ。他の人と違っても流されず、「普通にならなければいけない」という刷り込みからまず解放されることが大切かもしれない――。高橋さんと山田ルイ53世さんのやりとりを聞いていて感じた。