高橋みなみさんの言葉
「自分を評価してあげる、人と比べない」

 セッションでは、ひきこもり経験者の立場で一般社団法人hito.tocoの代表理事を務める宮武将大さんも出演した。自身と他の人を比べる中で、学校に行けなくなり、ひきこもって仕事もできずなかった経験から、「人と比べることが人生において役に立たなかった」と訴える。

 宮武さんは「人と比べないことの方が、自分の気持ちに役に立っている」と指摘。「気付いたときから比べることで頑張ろうとしてきたけど、まず今の自分でいいんじゃないかと受け止めることで気持ちが楽になれる」と説明した。

 また、ひきこもり当事者の家族の立場で出演した特定非営利活動法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会の伊藤正俊共同代表は、「一つの家族だけでは生きられない。一人一人望む幸せは違うけど、ゆるくつながって助け合いながら生きていける社会を」と訴えた。

 高橋さんは、「自分を自分で評価してあげること、自分と会話するために人と比べないことが大事」「生きているだけでいいじゃない、ということだと思う」などと総括していた。

 続いてセッション2では、ひきこもり経験者、その家族、支援者、専門家によるパネルディスカッションが行われた。

「人間だからイレギュラーは必ず起こる。それに対して、批判的になるのではなく、寛容になれるような社会ができれば、きっと生きやすい社会になるのではないか」

 ひきこもり経験者であり、特定非営利活動法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」ピアスタッフの大橋伸和さんが、周りを癒すように語る話が印象的だった。

 さらに厚労省では、現場のひきこもり支援者の間で交流する機会がなかなかないことから、ひきこもり当事者や家族を交えたネットワークを地域で広げてもらうための「ひきこもりVOICE STATION 支援者サミット」を全国8ブロックでオンライン開催する。

 この支援者サミットは、1月22日から四国ブロック(高松)を皮切りにスタートする。

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