その良い例が、お笑い「キングコング」の西野亮廣氏だ。お笑いの世界で得た知見を絵本作家や映画監督の道でも活かすことにより活動を広げ、独自のポジションを築いている。
 
◇キャリアの面積は「人軸」と「場所軸」で掛け算する

 どうすれば、キャリアを横展開して、キャリアの面積を広げていけるのだろうか。

 キャリアの面積は「人軸」と「場所軸」の掛け算で決まってくる。ここでの人軸とは能力(資質・スキル・経験)を意味し、場所軸とは働く場所(業界・会社・職種・役職)を意味する。注意すべきことは、資質に沿ったスキルを掛け算することである。

◇資質は4つの視点で洗い出す

 自分の資質を知る方法は何なのか。まずは次の「4つの視点」に従って自分の資質を見つけていくとよい。

 1つめの視点は、「ありがとう」の声を集めることだ。「気が利く提案、ありがとう」など、何気ないことでよい。「ありがとう」の声は周りの人が認める、あなたの提供価値である。この「ありがとう」を集めることで、周囲の認知に基づいた、自分らしいオリジナルな資質を見つけられる。

 2つめの視点は、得意なことの解釈を因数分解することである。得意なことには自分自身の資質が隠れている。「人より速くラクに飽きずにできること」「飽きずに没頭できること」を書き出してみよう。締め切りを必ず守れるのであれば、先読みする感度が高く逆算して段取りするのが得意という資質が隠されているかもしれないと気づける。

 また、飽きずに没頭できることで、成果が出ているのならば、それはまさに向いていることである。逆に、成果が出ていないのに没頭できることは、モチベーションの持続要因として秘訣を探るといいだろう。

 3つめの視点は、コンプレックスをいい意味で逆転させることだ。まずは「苦手なこと」を書き出して、苦手の裏にある得意なことを書き出していく。

 例えば、「人と同じが苦手→逆に→新しいコンセプトを考えるのが得意」といった具合だ。苦手の裏側を考えることで意識したことがなかった資質が見えてくる。